おひとり様にとって大切な事の1つとして、先への備えとして行う生前整理があげられます。ご自身がお元気なうちから、持ち物を確認して整理を行ったり、財産や契約関係の内容を把握しておくことが、何かあった際の安心につながります。
こちらのページでは、「処分も含めた家財(持ち物)の整理」「生命保険を含む金融関係内容の明確化」「何かあった場合に相続人および関係者が対処できるよう準備するポイント」の3つの視点から生前整理のポイントをご説明いたします。
処分も含めた家財(持ち物)の整理
ご自身に万一の事があれば、ご自身の持ち物は一体どうなるのでしょうか。その時は、家財や持ち物の全てが遺品となり、ご遺族に委ねられます。そうした意味でも、日頃の整理整頓と生前整理とは意味合いが異なります。もし高齢者施設に入所することを考えているのであれば、持ち込みのできる持ち物も最小限に限られます。
そして、遺された家財が多ければ多いほど、ご遺族が負担する片付け費用も高額になります。以上の事から、ご自身の体力があるうちから少しずつ、必要なものと処分するものを判断して断捨離できると理想的です。そうすれば、自分の家財や持ち物が原因で周囲を困らせる事が少なくなります。少しでもお元気なうちから計画的に準備を始めることが大切です。
生命保険を含む金融関係内容の明確化
そもそも、財産管理はとても重要事項ではありますが、おひとり様の場合ですと、適切な対策をすることがさらに大切になります。不明瞭な財産管理はトラブルの元です。ご自身の財産や契約に関する情報を整理して、必要な場合には専門家に相談してみる事が大事です。以下で財産管理の大切なポイントをご説明いたします。
銀行や証券会社などの金融資産管理
ご自身の金融資産について全て把握します。口座のある銀行や証券会社の支店名や口座番号、口座残高などの情報全てを確認しましょう。年金口座と小口用の口座の二つにするなど、ご自身の情報管理に余計な手間が取られないようにまとめるなどしておく事をおすすめします。そして、その際に必要がないと思われる口座は早めに解約してしまいましょう。
生命保険や医療保険、年金保険
生命保険や医療保険、年金保険の契約内容を確認しましょう。保険契約を含め、契約は判断能力があるうちにしか行えないため、少しでもお早めに保険契約の確認・見直しを行いましょう。そして、不要な保険に入っている事が分かれば解約しましょう。
生命保険は相続対策にもなりえますので、受取人の確認を確実に行いましょう。生命保険の相続における活用法としては、以下の三点があげられます。
- 非課税枠による相続税対策
- 相続税の納税資金対策
- 不動産を相続する方が他の相続人に支払う代償分割への活用
その他の金融資産について
電子マネーやネットバンキング、ネット証券、著作物など、デジタル遺品と呼ばれるものについても全て把握し、自分の死後の手続きについて見通しを立てて対応を準備しておくことが重要です。また、誰も住む予定のない所有不動産がある場合には手放したり、今後の管理方法を決めた上で、必要に応じて契約などを行います。ご自身が万一亡くなった後の手続きがスムーズに運ぶよう、考えて準備しておきましょう。
生前に行っておくべき法的な備え
家財整理や財産、それに伴う契約と共に、法的準備も同時に進めておきましょう。こちらでは3つの法的手続きについてご説明いたします。
- 死後事務委任契約書の作成
- 任意後見契約
- 遺言書の用意
「①死後事務委任契約書」とは第三者に葬儀・納骨・各種契約の解約手続きを委任できる契約を結ぶための書類です。ご自身のご逝去後に発生する様々な手続きを、誰に、どのようにお願いするのかを決めておくことができます。
「②任意後見契約」とは、認知症などで判断能力がない状態になってしまってからの財産管理や契約を行う後見人を、お元気なうちから契約によって決めておくことができる契約です。
そして、最後に「③遺言書」を作成しておくことよって遺された財産の分配方法を明確にし、相続トラブルを防ぐことができます。遺言書は公正証書遺言での作成をおすすめいたします。
この3つの法的手続きについて詳しくは以下のページで解説しております。
生前整理を進める際のポイント
生前整理を進めるにあたって、押さえていただきたいポイントをご紹介します。
生前整理、着手はお早めに
生前整理で1番に大切な事は、健康で判断能力が十分なうちから着手して、計画的に進めることです。いつかやろうと思っているうちに、ご病気や認知機能低下がやってくるかもしれません。そうなれば正確な財産管理や契約手続きは難しくなる事でしょう。生前整理を行うと決めたら、少しでも早めに計画を立てて着手する事が何よりも重要です。
整理して記録をして情報を可視化する
財産や契約に関する書類や情報を、アナログ(紙)やデジタルなど、情報を可視化しましょう。ご自身の信頼がおける方に保管をお願いする方法も良いでしょう。もしもエンディングノートを用意される場合には、法的効力のある遺言書や契約書と共に準備いただくのが良いです。
安心のため専門家にも相談しましょう
生前整理ですべきことは多岐に渡ります。過不足なく対応し、安心できるよう、生前対策の専門家に相談し、必要な対策を確認しましょう。知識が豊富な専門家に相談することにより、万一の場合に誤った手続きにより思わぬトラブルにつながり周囲に迷惑をかける…といった結果を防ぐ事ができます。
生前整理はご自身の安心のために生前に行える準備です。適切や家財整理や財産管理、契約を行い、少しでも不安や負担、将来におけるリスクを減らし、心配のない老後を過ごしましょう。
いきいきライフ協会®せとうち では、おひとり様の老後のサポートに精通した専門家「身元保証相談士」との初回相談を完全無料で承っております。広島・宇品の地域事情に詳しい専門相談員が対応いたしますので、少しでもご不安やご不明点がございましたら、まずはお気軽にいきいきライフ協会®せとうちまでお問い合わせください。