人生の最終段階を迎えるにあたり、身近に頼れる方のいないおひとり様にとって「終活」は欠かせないテーマです。人生の最期に向けて残りの人生をどう過ごすのか、そしてどんな最期を迎えたいのかを考え、準備しておくことが、安心の老後に繋がります。
どうしても終活というと、葬儀や供養、財産の分配といった「死後のこと」を連想しがちですが、本当に大切なのは「亡くなる前の時間をどう過ごすのか」という視点です。
こちらでは、おひとり様が終活で考えておきたいポイントをご紹介いたします。
1.老後の住まいについて考える
老後を安心して暮らすためには、住まいの選択が非常に重要です。自宅で暮らし続けるのか、高齢者向け住宅へ移るのか、それとも介護付きの施設に入居するのか──選択肢は多様です。
また施設にも「民間型」と「公的型」があり、介護や医療サービスの内容も大きく異なります。費用負担の違いや提供されるサービス内容を理解したうえで、自分に合った住まいを選ぶことが重要です。
早い段階から情報収集をしておくことで、急な状況の変化にも慌てず対応できます。
2.生前整理を始める
おひとり様の終活で忘れてはならないのが「生前整理」です。元気なうちに財産や持ち物を整理し、契約関係を見直しておくことは、自分の安心にもつながります。銀行口座や保険契約の内容を把握し、必要に応じて解約や整理を行うこと、不要になった家財を処分しておくことは、将来の大きなトラブルを防ぐ備えになります。
判断能力が衰えてからでは対応が難しいため、早めに専門家に相談しながら整理を進めることが安心です。結果として、将来周囲に迷惑をかけるリスクを減らし、自分自身も納得した状態で暮らしを続けられます。
3.認知症に備える
認知症は誰にでも起こり得るものであり、特におひとり様にとっては大きなリスクになります。もし判断能力が低下した場合、財産の管理や日常生活のサポートを頼める体制がなければ、安心して生活し続けるのは難しくなります。
そのため、任意後見契約や財産管理契約など、法的に有効な備えを元気なうちに整えておくことが必要です。こうした準備を進めることで、認知症になっても自分らしい生活を続けられる安心感を持つことができます。
4.終末期医療の方針を考える
終末期──病状が進行し、回復の見込みがないと判断される時期──を迎えるとき、どのような医療を望むのか、これはおひとり様にとって特に大切な検討事項です。延命治療を希望するのか、経口摂取が難しくなったときに胃ろうを行うかどうか、こうした極めてセンシティブ方針を判断できるのはご自身だけです。あらかじめ方針を示しておかなければ自分の希望とは異なる医療が施されてしまう可能性があります。
口頭の希望だけでは不十分のため、公正証書などのかたちで医療の方針を記しておくことが有効です。これによりご自身で直接方針を示すことの難しい終末期でも確実に自分の意思を伝えることができ、望ましいかたちで最期を迎える準備が整います。
5.老後のサポートを誰にお願いするのかを考える
これまでに触れた「老後の住まい」「生前整理」「終末期医療」「認知症対策」は、おひとり様の終活において非常に重要な柱です。しかし、これらの準備を整えるだけでは、まだ十分とはいえません。なぜなら、計画を立てるだけでなく、その計画を実際に支えてくれる人がいなければ、十分な安心とは言えません。
おひとり様にとって特に大切なのは、「老後や死後のサポートを誰にお願いするのか」を決めておくことです。入院や施設入居の際に求められる身元保証人、緊急時に駆け付けてくれるキーパーソン、終末期医療の方針の提示者、そしてご逝去後に葬儀や供養、遺品整理やライフラインの解約といった死後事務を託せる人──これらをあらかじめ考えておくことで、ようやく本当の意味で安心できる終活につながります。
「家族や親族がいるから大丈夫」と思っていても、遠方に住んでいたり、関係が薄くなっていたりする場合には、実際にお願いするのが難しいこともあります。反対に、あらかじめ専門家に相談しておくことで、老後も死後も含めて一貫した支援を受けることができます。
つまり、終活は「何を準備するか」だけではなく、「誰に支えてもらうか」を考えておくことで、安心した老後と納得できる最期を迎えるための備えとなります。
「自分らしさ」を守るための準備をこれから始めましょう
終活は、「これからの時間をどう生きるか」を考える作業です。できるだけ早い段階から準備を始めることで、自分らしい選択をし、納得できる人生の最期を迎えられます。
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